teen

増えていくたからもの

大事に大事に両手で包むの

だけどね増えていくと

どうしても包みきれなくなるの

こぼしたりぶつけたり

僕はとても悲しむの

そして『せきにん』っていうやつも

一緒に増えてしまうんだ



『それならいっそ、このままで』

臆病な僕は願ってしまう

たからものなんてもう要らない

だから何も失わずに

失わずに済みますようにと



愛も語れないしささやけない

誰も養えないし救えない

一人じゃ何も出来ないけど

僕は笑うし

生きてるよ



ねぇ僕も

もうすぐ大人になってしまうけど

この気持ちは忘れずに

過ごすことは出来るかな



悔しくて悲しくて情けなくて

涙する日を過ごしても

僕が僕で在り続けることに

どうかずっと笑顔で

生きていけますように



最後にひとつ、臆病な僕へ

何も無い僕は

ちっとも面白くないよ、きっと

だから今をきっかけに

違うものを望んでみようよ

これを書き終える僕より

ストリーム

あの頃僕は踏み外し

川に落ちて時間が止まった

流れていると思っていたけど

同じ景色に見飽きてしまい

あがくことしか出来なかった

いつしか皮膚がふやけてブヨブヨ

川岸さえ掴めない手に

ねぇ僕は

こんな姿を望んでなかったよ

ねぇ僕は

もっとキラキラしてたでしょう？

いつでも川は光るのに

僕は濁るだけの生き物で

輝き失せた僕は沈む

だけど違ったんだ

ねぇ僕は

気づいてなかった

ねぇここは

きっと海の底でしょう？

肉眼では判らなかった

景色は少しずつ変化して

変わらないことを怖がった僕に

僕は大きく笑ってやった

アキゾラ

真っ直ぐだけど歪んでいて

果てしなく見える空は高い。

寝転がって手を伸ばせば

いつでも届きそうだった夏の雲は流れ

立って見上げても遠い。

ほら、

鱗雲があんなに遠く。

空に触れたい

高く高く高く!!

僕の声よ届け

上に上に上に!!

吸って吐く息は

少し土の香りがした。

虹色の雲

空には色が無いけれど

知ってた？

雲にも色が無いってこと

じゃないと雲は光らない

月が膨らむ夜にはね

そこを通る雲たちは

虹色になって踊るんだ

曲はワルツか分からないけど

僕もつられて踊るんだ

知ってた？

月と雲とで虹色に

カラフルの一部

一色だけじゃつまんないから

他の色もキャンパスに落としてみよう

ごったがえして見えるんだけど

やっぱり僕のスキな色は

僕にとって目立つ色で

カラフルな中でも存在できる

そのことがどうしても嬉しい

ウィジュー

わかっているの

あたしじゃムリなの

あなたはわかっていないのよ

優しくされて嬉しい反面、

もうやめてほしいという矛盾

同じものを愛さなければ、

終わるかもしれない関係に

不安なんて持たなかった

何で？

あなたをスキになったこと

何で？

同じものを愛すこと

何で？

その笑顔を見ると苦しくなるの

喜ぶべきすべてのものが

今のあたしじゃ辛いだけ

ねぇ

この気持ちを伝えても

今の関係でいられるのなら

あなたをスキだと叫びたい

願わくば、

同じ男で居たかった

線香花火

今年最後の線香花火

君は大事にそれを持って

『少しでも続きますように』

呟きながらにらめっこ

白い手に包まれた

その儚い花火のように

僕の手をそっと握って

あの笑顔を今見せて

散った花火に嫉妬する僕

過去は雨

シトシトシト

声も出さずに泣く君と

あのころの僕を重ねてしまう。

君の泣き顔見たくないから

カーテンは閉じたままで。

むせるように唸る雷

どれだけ君は辛いの溜めるの

到底理解出来ない僕は

静かに音楽を流し始める。

スウィートをどうぞ

泣きたくないと嘆くわたしに

あなたはいつもの言葉を添えて

飴玉やチョコレイトを

この口の中に放り込むの。

『甘いものを食べるとね

　涙が乾くんだよ。

　だって涙はしょっぱいもの。

　体の塩を出そうとするなら

　甘いもので埋めればいい。』

そんなことあるわけないのにと

頭で解っているのだけど

わたしの滴は途切れてしまって

笑わずにはいられない。

ほら、泣きそうなわたしのために

彼はいつでも甘いものを。

眠らない空

空を見上げていつも思う

君は眠くならないのかい？

昼は雲を飛行機を飛ばして

雨を雪を降らせては虹を掛け

夜は星のカーテンぶら下げて

月を吊す。

いつか

疲れきった君は太陽を落とし

地球をポンと消してしまう

そんなことを考えると、

僕が代わるよ、

そう言いたくなるんだ

僕が代わりに、地球を包んで

そっと包んで大事にするから

だから、これ以上

濁った色にならないで。

見上げた僕が願う先

無言のままで、

空は今日も空のまま。