くるみパン

駅のホーム

ベンチに座り

僕はくるみパンを頬張る

３つ隣に老人が腰をかけ

軋むベンチが揺れ続け

やがて地割れが起こる

僕は呑み込まれて

くるみパンが宙を舞う

ぽとり、と

パンからこぼれた

くるみの欠片

帰ってきた僕の視界で

テールランプがまばたき

両手に持ったパンの裂目が

妄想で見た

あの地割れのようだった




あとがき。
バイト帰りにホームでくるみパン食べていたときに浮かびかけて、さっき眠いままつらつらと描けた……。
うーん、これはジャンルがわからんので、未選択で。
あ、最後のところ。
パンの裂目で地割れを妄想したのに、それに気づかず僕は『パンの裂目が妄想で見た地割れに似ていた』って思ったんやろうなぁ。
……これもあたしの妄想やけど。(笑)